税理士が解説する わかりやすい相続税と贈与税

遺言書を見つけてしまったら?!

自分の遺産の相続先を記す遺言書。

近年では終活の一環としてテレビで取り上げられていることもあります。

終活の認知度が上がっている昨今、突然遺言書が見つかるというケースは多くないかもしれませんが、遺言書を遺された方が安心して手続きできるようぜひご覧ください。

遺言書とは

遺言書とは、自分の死後に、誰にどの財産を相続させたいか、または相続人以外の人に財産を渡したいかなど、相続に関する意思を記載した書類のことです。

相続については民法によって相続人の範囲や順位が定められていますが、遺言書がある場合はその内容が優先されます。


遺言書を見つけたら

遺言書を見つけたらすぐに中身を確認したくなりますよね。

ところが実は、遺言書は封印の有無に関わらず、勝手に開封すると法律違反となる可能性があります。

また、相続人同士のトラブルの元にもなりかねません。

遺言書の正しい開封方法を知っておきましょう。

遺言書の開封には、『検認』という手続きが義務付けられています。

検認は遺言書の存在を相続人へ周知し、偽造を防止することを目的とした家庭裁判所で行う手続きで、相続人立ち合いのもと行われます。

無用なトラブルを避けるためにも速やかに他の相続人への連絡、検認の手続きをすることをおすすめします。


うっかり開封してしまった!

前述した通り、遺言書の検認前の開封は禁止されていますが誤って開けてしまうこともあるでしょう。

検認は偽造防止を目的とした手続きであるため、検認前に開封してしまっても、遺言書の効力が失われたり、相続資格が喪失することはありません。

誤魔化したりせず、速やかに家庭裁判所へ相談し指示を仰ぎましょう。


遺言書通りに遺贈しなければいけないの?遺産分割したい!

原則、故人の意思表示を最大限尊重し、遺言通りに相続するべきとされています。

ただし、以下の条件を満たせば遺言と異なる内容で遺贈が可能とされています。

原則、故人の意思表示を最大限尊重し、遺言通りに相続するべきとされています。

ただし以下の条件を満たせば遺言と異なる内容で遺贈が可能とされています。

  • 遺言書に遺産分割の禁止が明記されていない
  • 受遺者全員の合意がある

条件を満たした後、遺贈放棄の手続き、遺産分割協議書の作成の流れに入っていきます。


遺言書を見つけたら、検認の手続きをしましょう!

以上、【遺言書を見つけてしまったら?!】をお届けしました。

『検認』、ご存じでしたか?

意外と知らない遺言書を見つけたときの手続き。

「なんとなく気になっていたからスッキリした!」

そんなコラムになっていれば幸いです。


さて、次回のコラムは【終活、贈与税】をテーマにお届けします!