「相続」という言葉をきいて、皆さんはどのようなものをイメージしますか?
自分には関係ない、と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、相続は全ての方に起こる可能性があるものです。
今回は、相続とはなんなのか、そして相続税とはどのようなときに課税されるのかを見ていきましょう。
財産を持っている方が亡くなった場合、その財産はどうなるのでしょうか。
どこかに消えたり、誰かに没収されるわけではなく、
民法の規定により、お亡くなりになった方(「被相続人」という)の配偶者、子、孫などがその財産を取得することになります。
誰が、どれだけ財産を取得する権利があるかについては、民法に「相続順位」・「相続分」として規定されていますが、こちらについては改めて説明します。
民法の規定に則って配偶者等が被相続人の財産を取得することを「相続」といい、相続により財産を取得した配偶者等のことを「相続人」と呼びます。
また、被相続人が生前に自身の財産を誰に引き継がせるかを遺言書等で指定することもでき、
遺言等により財産を取得することを「遺贈」といい、遺贈により財産を取得した者を「受遺者」と呼んでいきます。
そして、被相続人から相続又は遺贈によって財産を取得した者がその取得した財産に対して課税が行われ、その課税される税金を「相続税」といいます。
相続税は、必ず発生するものではありません。
相続又は遺贈により取得した財産の総額が一定の金額に達しない場合は、相続税がかからない仕組みとなっています。
この一定の金額のことを「遺産に係る基礎控除額」といいます。
ここで注意しなくてはならないのは、相続人1名ずつが取得した財産の総額で個別に判断するのではなく、
仮に相続人が3名いた場合は、相続人3名が取得した財産の総額が遺産に係る基礎控除以下であるかどうかを判断する必要があります。
遺産に係る基礎控除額は、以下のように計算します。
遺産に係る基礎控除額:3,000万円+「法定相続人の数」×600万円
(ex)法定相続人が3名の場合
3,000万 + 3名 × 600万円 = 4,800万円
この場合、相続人3名が取得した財産の総額が4,800万円を超えている場合には相続税が発生することになります。
なお、ここでいう法定相続人とは実際の相続人とは異なり、相続税法において相続税の計算のために規定された相続人となります。
民法上の相続人とは範囲が異なる場合があるため注意が必要となります。
取得した財産の総額から遺産に係る基礎控除額を控除しても残額がある場合には相続税が課税されます。
では、相続税が課税される場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
次回のコラムにて掲載予定ですので、次回も是非お読みください。